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上気道粘膜ワクチンの開発

  • 公開日: 2019-05-13
  • 変更日: 2020-09-25
添付:PDFファイル

(研究の背景および目的)
上気道細菌感染症は肺炎球菌やインフルエンザ菌を主たる病原菌とします。これら細菌の多くはほとんどの薬が効かない多剤耐性菌であるため、予防するワクチンの開発が急務とされています。現在用いられているワクチンの多くは皮下注射などによって全身免疫応答を誘導するもので、体内に侵入した細菌に対する最初の防御機構を担う、粘膜免疫応答は誘導されません。そこで我々は種々の粘膜を介して、感染時や感染初期に病原菌の侵入を防ぐ、粘膜ワクチンの開発について研究しています。
(主な内容)
1)ホスホリルコリンの経鼻・舌下投与による粘膜免疫応答の誘導ホスホリルコリン(PC)は肺炎球菌やインフルエンザ菌を含むすべての細菌の外膜構成成分であり、上気道感染症のすべての起炎菌に有効な広域スペクトラムを有するワクチンとして期待される。そこで、PCをマウスに週1回3回経鼻あるいは舌下投与したところ、いずれの投与方法によっても、鼻洗浄液、唾液中の特異的IgA抗体が上昇し、血清中のIgG抗体も上昇した。また、免疫後に鼻腔内に生菌を注入したところ、肺炎球菌、インフルエンザ菌ともに鼻腔からのクリアランス(除去)が亢進していた。これらのことからPCの粘膜ワクチンとしての有効性が示唆された。ホスホリルコリン2)PC粘膜免疫によるI型アレルギー発症の予防粘膜免疫ではTh2型(液性免疫)の免疫応答が誘導されるため、IgE抗体の産生の増加によるI型アレルギー疾患(花粉症、蕁麻疹等)の発症が危惧される。そこで、PC経鼻および舌下免疫におけるIgE産生を観察した。その結果、PCの経粘膜投与によるIgE産生は軽微であり、むしろコレラトキシンなどによるIgE産生を抑制することが示された。すなわち、PC粘膜ワクチンは感染症のみならずI型アレルギーの発症を予防する効果もあることが示された。
(期待される効果・応用分野)
粘膜ワクチンは注射のような痛みがなく、安全性も高いため、乳幼児に対しても安心して投与することが可能です。事実、欧米ではインフルエンザウィルスに対する経鼻ワクチンが、すでに応用されています。また注射器や針などの医療廃棄物を出さない点が、地球環境に優しい予防接種です。粘膜ワクチンは粘膜免疫応答とともに全身免疫応答も誘導できます。細菌感染症に対する粘膜ワクチンは未だ存在しません。我々の研究によって世界初のワクチンが開発されることを期待しています。
(共同研究・特許などアピールポイント)
●すでに数社の企業や研究機関と、PC粘膜ワクチンの実用化に向けての基礎研究を進めています。
(コーディネータから一言)
細菌を含む生体分子が持つホスホリルコリンを用いた、上気道細菌感染症粘膜ワクチンを開発する研究。I型アレルギー疾患の予防効果も示されています。細菌感染症に対する世界初の粘膜ワクチンの実用化が期待されます。
(研究分野)
耳鼻咽喉科 頭頸部外科
(キーワード)
ワクチン 粘膜ワクチン 経鼻ワクチン 舌下ワクチン ホスホリルコリン 分泌型IgA抗体

カテゴリ : シーズ(得意な技術・サービス等)
対象エリア: 選択なし
有効期限 : 無期限

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