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新発見「分子スイッチ」予測による新薬開発法の提案

  • 公開日: 2019-05-13

(研究の背景および目的)
感染症は人類を死に至らしめる最大の原因となっていますが、抗ウイルス剤が開発されているウイルスは少ないのが現状です。私たちはC型肝炎ウイルス(HCV)とB型肝炎ウイルス(HBV)に対する化合物スクリーニングの過程で、核酸アナログの糖にフッ素を付加することで2つのウイルスの増殖を抑制できる薬剤を見出しました。異なる複製様式を示すHCVとHBV、両方に有効な薬剤は存在し得ないのが従来の常識でした。複製様式の壁を超える新しい抗ウイルス剤の開発を目指しています
(主な内容)
・抗HCV剤のスクリーニングにはHCVゲノムにルシフェラーゼ 遺伝子を導入したレポーターアッセイ系(OR6アッセイシステム) を使用します (特許第4009732号)。・抗HBV剤のスクリーニングにはHBVゲノムが導入された、ヒト 肝癌細胞株HepG2.2.15を使用します。・クロファラビンは白血病の治療に使用されている医薬品です。 クロファラビンに抗HCV活性(EC50*:122nM)と抗HBV活性 (EC50:20nM)の新規の活性があることを見出しました。・クロファラビンに化学構造が類似したクラドリビンは抗HCV活性 (EC50:96nM)を示しましたが抗HBV活性は示しませんでした。・クロファラビンのデオキシリボースの2位にあるフッ素が抗HBV 活性における重要な“分子スイッチ”であることが示唆されます。*分子スイッチ:フッ素が複製様式の壁を超えるスイッチの役割を果たすこと          から命名・デオキシリボースの2位にフッ素を有する核酸アナログが、 複製様式の壁を越えて広範囲なウイルスを抑制する可能性が 考えられます。・従来の抗ウイルス剤開発法とは異なる分子スイッチ予測に基 づく、新規の薬剤開発法による医薬品の開発を実施致します。*EC50はウイルスを50%抑制する薬剤の濃度HBVとHCVの複製の比較HBVの複製HBVゲノムdsDNA①DNA②RNA DNA③DNA DNA複製様式の壁HCVの複製ssRNA HCVゲノム④+RNA -RNA④-RNA +RNA①DNAからRNAを合成(転写)②RNAからDNAを合成(逆転写)③DNAからDNAを合成(DNA複製)④RNAからRNAを合成(RNA複製)HBVとHCVに対する薬剤のスクリーニングを同時に行うと、すべてのウイルスの複製様式(転写、逆転写、DNA複製、RNA複製)をテストすることができる。分子スイッチモデル化学構造式 抗HCV活性 抗HBV活性クラドリビンクロファラビン
(期待される効果・応用分野)
白血病の治療薬クロファラビンがHCVとHBV両方に有効なことから、フッ素が複製様式の壁を超える分子スイッチであると予測しました。この分子スイッチ予測に基づき、治療法のないウイルス感染症に対する新しい抗ウイルス剤の開発を目指します。未知のウイルスのアウトブレークや、バイオテロに対する備えは近年重要性を増しています。万能型抗ウイルス剤を開発できれば、この世界的脅威ヘの解決策になります。分子スイッチ予測による新薬開発は抗がん剤へも応用可能と考えています。
(共同研究・特許などアピールポイント)
●特許出願:「抗肝腫瘍ウイルス剤」(特願2016-048664)(発明者)池田正徳、武田緑、馬場昌範、加藤宣之(出願人)国立大学法人鹿児島大学、国立大学法人岡山大学●クロファラビンに次ぐHCVとHBVのいずれにも有効な化合物KGSM4を新規に合成しました。称:抗腫瘍ウイルス剤出願人:国立大学法人鹿児島大学、国立大学法人岡山大学発明者:池田正徳、武田緑、馬場昌範、加藤宣之出願日:2016年3月11日出願番号:特願2016-048664
(コーディネータから一言)
HCV・HBV両方に効く薬剤の発見により、「分子スイッチ予測」に基づく効率的な医薬品開発法を見出しました。抗ウイルス剤・抗がん剤など新薬開発に応用が期待できます。実用化に向けて製薬会社との連携を希望しています。
(研究分野)
ウイルス学
(キーワード)
ウイルス 抗ウイルス剤 含フッ素化合物 HCV HBV フラビウイルス

カテゴリ : シーズ(得意な技術・サービス等)
対象エリア: 国内 / 南九州 / 南西諸島域 / その他地域
有効期限 : 無期限

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