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炭素系薄膜を用いた光駆動デバイスの開発

  • 公開日: 2020-04-20
  • 変更日: 2020-05-27

(研究の背景及び目的)
共に炭素の同素体であるダイヤモンドと黒鉛の中間には、高硬度で切削工技や剃刀の刃などに使われるダイヤモンドライクカーボン(DLC)をはじめとする、多様な無機炭素系薄膜材料があります。我々はその一つアモルファス窒化炭素に、可視光が照射されると形状を変えるユニークな性質を発見しました。我々の研究室では多彩な炭素系薄膜の作製や物性評価に取り組むとともに、光で動くアモルファス窒化炭素を使った、無電源で遠隔操作が可能なデバイスの開発にも取り組んでいます。
(主な研究内容)
アモルファス窒化炭素薄膜は、理論的に「ダイヤモンドより硬い」とされるβ-C3N4を実現する過程 で生まれた、比較的新しい材料です。炭素を骨格材料としており、同じようにダイヤモンドを目指して作られたDLCの仲間です。本研究ではスパッタ法を用いて作製していますが 、他にも化学気相(CVD)法やレーザーアブレーション法などでも作られ、作製方法によっても異なる性質を示します。我々のグループでは、アモルファス窒化炭素薄膜に光エネルギーを力学的エネルギーに変換できる特性があることを2012年頃に発見しました。物体に吸収された光エネルギーが力学的エネルギーに変換される過程には、光熱変換によって生じた熱による膨張・収縮、化学的に変異する光異性化、光起電力効果による電圧で生じる光磁歪効果などがあります。しかし、アモルファス窒化炭素薄膜が光により形状を変える光誘起変形は、それらのどれにも当てはまらない新しい現象で、現在、メカニズムの解明に取り組んでいます。図1は、ポリマーフィルムにアモルファス窒化炭素をコーティングしたもの(左側)に可視光を照射した際の様子(右側)を示しています。可視光のどの色の光でも動き、色によって動きを変えます。物性解明と並行して、この現象を使って光で動くデバイスの作製も検討しているところです。
(期待される効果・応用分野)
炭素系薄膜は、機械的、電気的、光学的に非常にユニークな特徴を持っています。ハードコーティングだけでなく、細胞親和性や無毒なことから体に直接触れる材料のコーティングや、シリコンや金属に変わる電子部品の構成材料としても着目されています。我々が見つけた光駆動の性質は極めて珍しく、電源無しで変形し動く安価な材料としての用途を検討中です。ブラインドや舞台衣装など、さらには宇宙や人体の中などで光のみで作動する機器にも応用可能と考えて、研究を進めています。
(共同研究などアピールポイント)
アモルファス窒化炭素薄膜の光で動く現象は、国内外の研究者から興味を持たれています。光駆動の特性と、炭素材料の柔軟性・化学的安定性といった特徴を活かしたデバイス開発を検討しています。炭素系薄膜の作製、物性評価を行っています。
(コーディネーターから一言)
注目される材料、炭素系薄膜の専門家。アモルファス窒化炭素の光駆動特性を応用した用途の可能性を検討中です。連携して研究できる企業や研究者を求めています。多彩な炭素系薄膜の作製や物性評価にも応じられます。
動画は、ここをクリックし保存してから再生してください。


カテゴリ : シーズ(得意な技術・サービス等)
対象エリア: 国内 / 南九州 / 南西諸島域 / その他地域
有効期限 : 2022-04-20

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