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ヒトの臓器をブタの体内で育てるための免疫不全ブタの作成

  • 公開日: 2019-05-13
  • 変更日: 2020-09-25
添付:PDFファイル

(研究の背景および目的)
病気や事故で失った部分を自己の組織・細胞を用いて補う治療(再生医療)の研究が、注目を集めています。しかし、自己の幹細胞を培養し、そこから心臓や肝臓をまるごと作成することは現段階では不可能です。そこで、生理的にヒトに近いブタに幹細胞を移植し、ブタの体内でヒト臓器を形成させることを考えています。そのためには、ヒトの細胞を拒絶することなく受け入れる免疫不全ブタを人為的に作成する必要があります。本研究は、免疫不全ブタの作成に関するものです。
(主な内容)
免疫不全ブタを作成するには、2つの大きなステップがある。まず、免疫系に必須なIL-2受容体ガンマ鎖遺伝子(コモンガンマとも呼ばれる;以下、ガンマ)の発現を遺伝子工学的手法で抑える必要がある。いわゆるノックアウト(KO)の手法を用いてブタの培養細胞にガンマ遺伝子発現を抑えるように処置する(図1a)。ガンマは細胞表面に発現するので、毒素結合ガンマ抗体を作用させると、ガンマ遺伝子がKOされた細胞(毒素結合ガンマ抗体に反応しないため生存する)のみが選抜される。次いで、KO細胞を個体にまで発生させるべく、体細胞核移植(SCNT)を行なう(図1b)。KO細胞を除核されたブタ卵子の細胞質と融合させ、電気的ショックを与えると、胚が発生を始める。この胚を構成する細胞はすべてKO細胞由来の性質となる。即ち、ガンマを発現しない細胞で占められる。このような胚は最終的に出生まで発生させることが可能である。出生仔はガンマ発現がないため、免疫系が不全となり、どんなタイプの細胞も受け入れる個体となる。
(期待される効果・応用分野)
以上の実験はマウスではすでに実証されていますが、ブタでの成功事例はありません。免疫不全ブタの作成に成功すると、上記のように臓器を涵養する動物工場としての利用が可能になります。それ以外にも、生理的にヒトとの類似点が多い免疫不全ブタを利用することで、治療的組み換え蛋白の生産、ヒト腫瘍の大量生産、骨髄細胞などの各種細胞の大量生産なども可能となるなど、幅広い用途が考えられます。免疫不全ブタの作成が、医産業的にもたらす意義は非常に高いと思われます。
(共同研究・特許などアピールポイント)
●本研究は自治医大、明治大との3者による共同研究で遂行されています。●アルツハイマー病および骨粗鬆症のモデル動物、細胞内に外来性DNAを導入する方法等で国内外で特許を取得しています。
(コーディネータから一言)
遺伝子改変動物作成の専門家。免疫不全ブタの作成は現在ステップ1の基礎研究の段階です。免疫不全ブタが誕生すれば、再生医療分野でも大きな前進をもたらず画期的な成果と成り得ます。今後の展開が期待されます。
(研究分野)
発生工学 分子生物学
(キーワード)
再生医療 KO 標的遺伝子破壊法 遺伝子 免疫不全 移植拒絶 体細胞核移植 ブタ コモンガンマ

カテゴリ : シーズ(得意な技術・サービス等)
対象エリア: 選択なし
有効期限 : 無期限

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