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奄美・沖縄諸島の先史時代における特異性の研究

  • 公開日: 2019-05-13

(研究の背景および目的)
私たちの祖先は地球上の様々な環境へと拡散し、各々の環境に適応してきました。島嶼(とうしょ)環境は、中でも最もチャレンジングな環境の一つでした。過酷な島嶼環境へ、人類がいつ、どのように適応してきたか、というテーマに興味を持ってきました。奄美・沖縄諸島を中心に琉球列島の先史時代を対象に研究しています。20年来の研究で、この地域は世界的に珍しい特徴を持つことが分かってきました。この成果から人類の将来に対して何か提言ができるのではないかと考えています。
(主な内容)
【1】ヒトはいつ頃から、奄美・沖縄諸島をはじめとする琉球列島に住み始めたのでしょうか。   →遺跡等から旧石器時代にはヒトがいたと考えられます。【2】世界中の島のほとんどは農耕民によって植民されたが、奄美・沖縄諸島や他の琉球列島の島々は狩猟採集民によって植民されたようです。   →自然資源の貧弱な島嶼環境で、彼らはどのように生存したのでしょうか。【3】世界中のほとんどの島々では人間集団が植民すると環境劣悪化や破壊が起こりました。   →奄美・沖縄諸島を含む琉球列島の島々では人間集団植民後大きな環境破壊はなかったようです。(少なくとも、今日の科学的な手法では環境破壊の証拠は認められません)。   →自然と調和した人々が何千年も住み続けていた可能性があります。【4】琉球列島では狩猟採集民の時代と農耕民の時代がありました。   →世界のほとんどの島は農耕民によって植民されたので、狩猟採集の時代はありません。   →狩猟採集民によって植民されたごく少数の島では、彼らはずっと狩猟採集のままでした。【5】沖縄諸島では、単純な狩猟採集の社会から国まで社会組織が進化しました。   →おそらく、このような島は世界では他にありません。上記5点は「島嶼環境とヒト」という視点で見ると、世界的に大変珍しい現象です。これらを解明することにより、例えば地球環境と人口・食料問題などの今日的なテーマの解決策となるヒントが得られるかもしれません。●奄美・沖縄諸島の編年表グスク時代(約800年前〜600年前)11~12世紀頃から琉球王国が誕生する15~16世紀頃までグスクは奄美・沖縄諸島に点在する城の遺構。炭化した米・麦や牛の骨等が出土し、琉球最初の農耕時代と確認される。貝塚時代(約7000年前〜800年前)本州の縄文時代、弥生時代から平安時代にあたる。農耕が始まる弥生時代と異なり、狩猟採集が生活の中心だった。旧石器時代(約3万年前〜1万年前)すでに人類が居たことが遺跡から発掘された人骨等で確認される。
(期待される効果・応用分野)
奄美・沖縄諸島の先史時代(3万年前~)を研究し、世界の他の文明と比較することで、特異性が明らかになりました。この地域は旧石器時代からヒトが住み、狩猟採集から農耕、バンド*から国家へ社会が進化した世界でも稀有な島嶼です。他の島々では顕著な環境破壊の痕跡も認められていません。「自然の実験室」と言われる島を地球環境の縮図とみなし、何千年も自然と調和して来た琉球列島の先史時代を理解することで、今日的諸問題の解決策の糸口となる研究成果が得られる可能性があります。バンド:狩猟採集民にみられる親族で構成される最も単純な社会組織。平等や遊動生活で特徴付けられる
(共同研究・特許などアピールポイント)
●マヤ文明・アンデス文明の研究者とともに、新学術領域「環太平洋の環境文明史(平成21~25年度)」というプロジェクトを実施しました。他地域の文明との比較により、琉球列島先史文化が大変珍しく貴重なものであることを解明しました。
(コーディネータから一言)
琉球列島文化の独自性を研究する専門家。セミナー等でその魅力を語ることができます。また本センターは奄美群島の研究のため分室を名瀬に設置。スタッフが常駐しています。お気軽にご連絡ください。(℡0997-69-4852)
(研究分野)
先史人類学
(キーワード)
先史人類学 人類 島嶼環境 先史時代 適応

カテゴリ : シーズ(得意な技術・サービス等)
対象エリア: 国内 / 南九州 / 南西諸島域 / その他地域
有効期限 : 無期限

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