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樹木の内生菌(エンドファイト)の生態解明

  • 公開日: 2019-05-13
  • 変更日: 2020-09-25
添付:PDFファイル

(研究の背景および目的)
植物の健全な組織内に病気を起こさずに感染している糸状菌を内生菌(エンドファイト)と言います。内生菌は極めて多数の植物でその存在が確認され、普遍的な共生菌であることが明らかになっているにも関わらず、彼らがどのような生き方をしているのか、あるいはそもそも彼らが植物や生態系にとってどのような役割を果たしているのかはあまり分かっていません。そこで、これら内生菌のうち樹木と共生しているものに着目し、その生態の解明を目指しています。
(主な内容)
Q.変動パターンは?A.組織が古くなるに伴って増えるものが多いです。また、組織によって生息している菌は違っています。Q.感染経路・様式は?A.樹木の場合、胞子による水平伝染が主とされていますが、タブノキの低菌苗を使った実験でそれを確認しています。Q.落葉層ではどのような生き方をし、どのような役割を果たしているのか?A.組織死後、早めに消えるものと落葉層である程度定着するものがあるようです。後者は落葉分解初期に大きな役割を果たしているという説があり、今後検証を予定。樹木の内生菌の生活史生きた組織に潜在胞子等で感染組織死後落葉層へQ.どんな菌?A.子嚢菌が中心です。特定の木につく菌といろいろな木につく菌があります。マツやクスノキ科、ブナ科などを中心に研究中。Q.生組織内ではどのような役割を果たしているのか?A.・弱い寄生菌として宿主の負担になっている・抗菌物質などで病害虫から宿主を守っているなどが言われていますが、後者についてはクロマツの低菌苗を使った実験で雑菌の排除を示唆する結果が出ています。落葉落枝で胞子形成Q.研究手法は?A.表面殺菌した組織からの分離が中心。他には低菌苗の作成法や内生菌の接種法なども開発しました。現在は内生菌の個体識別法を開発中です。
(期待される効果・応用分野)
基本的には基礎研究ですから、産業的な応用にすぐに結びつくものではありません。しかし樹木の内生菌には、培地上で抗菌性を示す菌が少なくないこと、落葉分解への関与が示唆されていることなどから、有用物質の探索源として有力であると期待されています。一方、樹木の内生菌は普遍的に存在している割にあまり研究が行われていないため、それらの生態や役割、病害との関係を解明するなど、教育普及上の重要性は今後増していくものと思われます。
(共同研究・特許などアピールポイント)
●アジア地域の中では最初期から樹木の内生菌の研究を行っています。(独)森林総合研究所と共同研究の実績があります。●研究室としては森林病虫獣害全般や森林動物学、森林微生物学全般を多面的に取り扱っています。
(コーディネータから一言)
普遍的な存在ながら生態や機能がよくわからない植物の内生菌。とくに研究が進んでいない樹木の内生菌がテーマです。今後、基礎研究としての重要性が増すと予想され、有用物質の探索源としても期待されています。
(研究分野)
森林保護学 微生物生態学 菌学
(キーワード)
樹木共生菌 内生菌(エンドファイト) 森林病虫害 樹木共生菌 真菌類

カテゴリ : シーズ(得意な技術・サービス等)
対象エリア: 選択なし
有効期限 : 無期限

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