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南九州に多発する成人T細胞白血病(ATL)治療薬の開発

  • 公開日: 2019-05-13
  • 変更日: 2019-05-13

(研究の背景および目的)
成人T細胞白血病(ATL)はヒトレトロウイルス*であるHTLV-1によって引き起こされる,きわめて悪性の血液腫瘍です。南九州に多く,鹿児島県では約20万人ものHTLV-1感染者が存在し,毎年100人以上のATL患者が発生しています。ATLを発症すると半年から1年で死亡し,根本的な治療法はありません。本研究では,新しく確立した方法を用いて,ATL細胞を選択的に殺傷する新規構造の薬剤を見出しました。ATL細胞だけを攻撃して副作用が少ない,新しい薬剤の開発を目指しています。
(主な内容)
*ヒトレトロウイルス:ヒトに腫瘍を引き起こすウイルス。2つのウイルス,HTLV-1は白血病,HIVはAIDSの原因となる・ATL由来の細胞と非ATL白血病の細胞を用いて,色素法による薬剤のスクリーニング試験を行い,ATL由来の細胞株に対して選択的な阻害効果を示す薬剤を同定する。・同定された薬剤は,ATL患者から採取された白血病細胞に対する殺傷効果と,健常者から供給された活性化T細胞に対する殺傷効果について比較する(確認試験)。・さらにその薬剤をリードとして,誘導体の合成展開を図り,最終的にはATLに対する高い活性と選択性を持った薬剤を得る(構造活性相関の解析)。・得られた薬剤の作用機序に色素(MTT)法にて細胞増殖阻害効果を調べるついて,マイクロアレイやアフィニティークロマトグATL細胞ラフィーなどを用いて明らかにする(標的分子解析)。・白血病細胞を接種した重症免疫不全マウスなどの動物比較モデルを用いて,薬剤の抗腫瘍効果や毒性(副作用)を検証する(invivo試験)。・これらの結果を総合的に検薬剤を添加し非ATL培養する白血病細胞薬剤濃度低高討し,新規抗ATL薬としての可能性を判断する。同じ細胞数に調整したATL細胞と非ATL白血病細胞に対して,種々の濃度の薬剤を作用させて培養する。培養4日目に色素法を用いて,各条件下における生細胞数を定量する。有効な薬剤では濃度を増加させるとATL細胞は死滅するが,非ATL白血病細胞は生存している。
(期待される効果・応用分野)
HTLV-1感染者は日本で約100万人,中南米やアフリカなど発展途上国に1000万2000万人存在し,そのうち2~5%がATLを発症します。日本では鹿児島を中心とする南九州に限局することから,治療薬の開発は地域の研究機関や企業の社会的使命の1つです。鹿児島大学にとっては最大の地域貢献となります。本研究で確立した薬剤同定の手法は,ATL以外の悪性腫瘍に対しても応用可能であり,副作用の少ない治療薬の開発に用いることができます。
(共同研究・特許などアピールポイント)
●国際特許出願:「成人T細胞白血病治療薬」(発明者)馬場昌範,橋本祐一(出願人)国立大学法人鹿児島大学.PCT/JP2009/64577平成21年8月20日出願,各国移行手続中.
(コーディネータから一言)
鹿児島に発症者が多い,ATLの治療薬を開発する研究。薬剤,食品,食物成分等の抗ATL効果を試すなど,共同研究できる地元企業を歓迎します。エイズ研究でも注目され,ワクチン開発,感染予防活動に取り組んでいます。
(研究分野)
ウイルス学 化学療法学 創薬科学
(キーワード)
ヒトレトロウイルス 抗白血病薬 ヒトレトロウイルス HTLV-1 ATL 地域貢献

カテゴリ : シーズ(得意な技術・サービス等)
対象エリア: 国内 / 南九州 / 南西諸島域 / その他地域
有効期限 : 無期限

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