産学・地域マッチングサイト

企業や地域自治体・公共機関、大学等の産学官連携による「ニーズ・シーズのマッチングプラットフォーム KuRiPS」

マウス音声コミュニケーションを用いた「感情表現」の研究

  • 公開日: 2019-05-13
  • 変更日: 2020-09-25
[ PDFファイル ]

(研究の背景および目的)
我々は感情表現をします。また、その感情表現のバリエーションにも個性があります。そもそも我々はなぜ感情表現をしてしまうのでしょうか。感じたこと、考えたことを誰かに伝え、それを相手が受け取ることでコミュニケーションが成立します。私たちは感情表現の基礎的なメカニズムを生物学的に探求するために、マウスの音声コミュニケーションを用いて研究を進めています。近年、マウスが多様な音声コミュニケーションを持つことが判明し、注目を集めている分野です。
(主な内容)
近年、言語発達の遅れやコミュニケーションに障害が観察される自閉症が注目され、その基礎研究を行うためにマウスを用いた社会行動の解析が盛んに行われています。その指標として、マウスの音声コミュニケーションを用いた、疾病メカニズムの解明や治療法の開発が探索されています。 一方で、マウスの音声自体がどのような「意味」を持っているかということは、これまで曖昧なままでした。マウスの音声コミュニケーションは超音波でなされ、主に仔マウスが母を呼ぶ声と、オスがメスに求愛する際に発する声が知られています。 私どもは、オスからメスへの求愛に関して、次のようなことを見出してきました。1.遺伝的に均質な実験系統のマウスを用いているにもかかわらず、発声回数と使用される声の種類(音節・シラブル)に大きな個体差があり、発声の多い個体ほど複雑なシラブルを示す。2.発声の多い個体は性的動機づけが強く、意欲を司ることで知られるドーパミン神経の活動が活性化している。3.あまり発声を示さない個体も、一度鳴き始めると、複雑な音声を示す。
(期待される効果・応用分野)
性的動機づけの個体差やその時々の気分などによって、マウスは発声のパターンを変化させます。つまり、感情表現を行っていると考えられます。どのような脳の活動パターンが感情を生成するのか。このことは、神経科学の根源的な問いですが、今後、神経活動イメージングなどを用いて音声パターンと神経活動のパターンを対比することで、その答えの一端に迫ることができると考えています。また発声の特徴=個体差がなぜ生まれるのかに着目し、個性の基盤を探る研究も進めていきます。
(共同研究・特許などアピールポイント)
●社会的ストレスが発声を低下させると言われ、発声が低いオスは繁殖効率が低いことを発見しました。心と体の関係を探る新たな指標と考えます。●音声の計測と解析に関する独自技術を有します。●様々な地域連携活動にも取り組んでいます。
(コーディネータから一言)
マウスの音声コミュニケーションをテーマに、脳のメカニズムを研究しています。科学やアートがテーマの地域活動の運営にも参加。鹿児島の魅力や科学の面白さ等を発信する活動に協力できます。お問合せください。
(研究分野)
行動神経科学 行動神経内分泌学 生物学 動物行動学 実験心理学
(キーワード)
音声コミュニケーション マウス音声コミュニケーション 超音波発声 ドーパミン 求愛 性 社会行動

カテゴリ : シーズ(得意な技術・サービス等)
対象エリア: 選択なし
有効期限 : 無期限

(ご注意)

◯ コメントは公開されます。秘密情報の取り扱いには十分お気をつけください。
◯ 非公開で投稿者と連絡を取るには、右の[個別メッセージ]機能を利用して下さい。

個別メッセージ

ニーズ・シーズ投稿者と個別のメッセージ交換を行えます。

ログインすれば投稿者と個別メッセージ(非公開)のやりとりができます。

関連するニーズ・シーズ

  • ことばの意味とその力について考える

    ことばの意味とその力について考える

    シーズ(得意な技術・サービス等) 2019-05-13

    (研究の背景および目的) 英語学と呼ばれる研究分野の中でも意味論、プラグマティックス*、文体論といった、「意味」を中心に扱う領域が研究テーマです。意味を扱う際には、言語音(音声学・音韻論)や語彙とその配列(形態論・構文論)、言語の歴史(言語史)といった観点から「ことば」を観察・考察します。ことばの意味の探求は、言語全体の総合的考察となります。こうした考察を学問的に積み増しながら、その知見を英語教育の教材や教育指導へ如何に有効に還元してゆけるか、が大切な課題です。 (主な内容) *辞書的な意味を超...

  • 光ファイバーを用いた簡便・高精度な屈折率測定技術

    光ファイバーを用いた簡便・高精度な屈折率測定技術

    シーズ(得意な技術・サービス等) 2019-05-13

    (研究の背景および目的) ●光ファイバーは、現在、高速・大容量の長距離通信システムの信号伝送媒体として世界的に広く用いられています。一方で、光ファイバーはシリカガラスを素材としているため、物理的・化学的に安定なことから、光センシングのプローブ(探針)としても様々な分野で活用されています。本研究は光ファイバーの端面からの反射光を計測することによって、端面に接触させた液体や樹脂の屈折率を高精度で測定できる技術です。 (主な内容) 〇測定の原理光源光サーキュレーター入射光光パワーメーター光ファイバープ...

  • 噛み合わせの悪化が全身機能に影響するメカニズムの解明

    噛み合わせの悪化が全身機能に影響するメカニズムの解明

    シーズ(得意な技術・サービス等) 2019-05-13

    (研究の背景および目的) 1990年、欧州共同体(EC;現欧州連合)・世界保健機構(WHO)・米国立老化研究所(NIA)は、共同で実施した世界的疫学調査の結果から「歯を多く喪失することは、アルツハイマー型認知症発症の危険因子である」と発表しました。しかし、歯を失うことが、なぜ学習や記憶などの高次脳機能に影響するのか…そのメカニズムは判っていません。また、噛み合わせの状態は全身の筋運動に影響を与えますが、その神経メカニズムの詳細も未だ不明です。本研究はこれらの解明を目的としています。 (主な内容)...

利用登録
する